新興感染症が広まる理由・SARS/エボラ/デング

最近、SARSやエボラ出血熱など、新興感染症がニュースを賑わしていました。今回はそんな新興感染症について学習します。

新興感染症

新興感染症とは

新興感染症とはWHOで以下のように定義されています。

「ヒトの間で初めて出現したもの、もしくは、以前からあったものが、急速に数、地理的に範囲を拡大したもの。」

毎年のように、新興感染症が出現しています。

新興感染症はなぜ増えてきた?

新興感染症はどこから?

これらの新興感染症の多くは、宇宙から降ってきたわけではありません。

「他の動物」からヒトに、ウイルスなどが移されて新興感染症が起きています。つまり、新興感染症の多くは、人獣共通感染症です。

なぜ増えてきた?

増えてきた理由は、

  • 「人口が増えてきたため」
  • 「今まで人が住んでいなかったところにも人が住むようになり」
  • 「様々な環境に暴露されるようになった」ため、

新興感染症が増えています。

今まで人が住んでなかったところに人が進出したことで、そこにいる動物がもっていた病気が感染症になります。

他にも、「人の移動が活発になったため」も理由の一つです。

昔なら、大変な感染症がアフリカの奥地で流行したとします。もし流行しても、感染症はアフリカの奥地の部族を全滅させるだけでした。アフリカの奥地の村1つが全滅しても、その感染症が、世界的に広まることもありませんでした。

ただ、今は人の移動が活発です。アフリカの奥地の民族の人も、アフリカの国の都心に来たりします。そこで、感染症が広がるのです。

昔から危惧されていた新興感染症

このような事態は昔から危惧されていました、NHK特集や映画でも話題になっていました。(映画「アウトブレイク」は面白いらしい)

ウイルス感染爆発アウトブレイク (字幕版)

SARS

初の世界的流行SARS

そのように危惧されてきた新興感染症が、最初に世界的に広まったのが2003年のSARSと言われています。

それまで(2003年以前)全く知られていなかったSARSコロナウイルスが急に感染し、拡大していったのです。

SARSの始まり

SARSは初め、中国の広東州から始まりました。

広東州では色々な種類の肉を食べる風習があります。(イヌ・ネコ・タヌキ・他にもいろいろ)

実際にどの動物がヒトにSARSコロナウイルスを感染させたのかは分かっていません。

ただ、この種のウイルスの大抵の自然宿主はコウモリであることが多いそうです。コウモリは、色々な動物と接触します。そそ肉をヒトが食べたと言われています。(食べた肉としての第一候補はハクビシンらしいです。)

SARSが広まった

感染が拡大するまでは、ハクビシンの近くにいる人のみが感染していました。

ある時、その感染者の一人が、大学病院で、また転院の過程、転院先で感染を拡大させました。(80-90人に感染させたと言われています。)

ここから、どんどん世界的に感染が広まります。

その原因は、別の「たった一人の」感染者がひろめたのです。

大学病院の医師が、感染したまま、ホテルに滞在し、ここで感染を拡大します。このホテルから多くの国に感染が広がったと言われています。

まとめると

もともとはコウモリがもっていたとされるウイルスが、ハクビシンを介して人に伝わり、「たった一人のの感染者」が感染を広げ、更に別の「たった一人の感染者」がさらに感染を広げたのです。(以下これの繰り返し)

総括

今回は、新興感染症と、その代表例のSARSについて学びました。他の新興感染症も、

同じようなものです。

他の新興感染症をニュースで見たら、「こんな感じなんやなあ」と思いながら、ニュースを見てみてください。