感染症の定義・影響とその対策・歴史
今回は「感染症」について学んでいきます!最近では、エボラ出血熱や、デング熱なんかが、日本でも有名になりました。インフルエンザも、実は感染症の一つです。今回はそんな感染症について学びます
感染症の特徴⇒伝染すること
感染症の特徴とは、ずばり、感染することです。もっと言えば、伝染することです。
昔は、「感染症」は「伝染病」なんても言われていたようです。人から人へ、動物から人へなど、病原体が移されてしまうものを、主に感染症と言います。
感染経路としては、分類もされていて、こんなにも種類があります。
- 母から子供に伝わる垂直感染(HTLV1 AIDSなど)
- 直接感染(飛沫で人から人へ)
- 間接感染(インフルエンザの空気感染など)
- 媒介動物感染(蚊が病気を運ぶなど、日本脳炎など)
感染症が起きる!
発症までの3ステップ!
- 上に書いた通り、垂直感染や直接感染などで、細菌・ウイルスは伝播します。人間は、そんな病原体に、暴露されます。(病原体は体へ侵入)
- そして、病原体は、人間の体の中で増えます。(感染)
- そして、病原体が体に悪さをして発症します。
このように、感染症が起きる(発症する)まで
- 暴露
- 感染
- 発症
という3つのステップがあります。
暴露しても感染しないこと、感染しても発症しないこともあります。(ex.インフルエンザウイルスを体に持っていても、発症しないこともあります。)
感染症の影響・インフルエンザで頭が痛い!
感染症が発症すれば、いろいろな症状が出てきます。インフルエンザだと、
- 頭が痛い
- のどが痛い
- 間接が痛い
- 体温上昇
以上のようないろいろな症状が出ていきます。
ただ、驚くべきことに、「インフルエンザウイルスは、のどにしかいない」のです。頭や関節にまでインフルエンザウイルスは移動しません。(そんなことになれば一大事です。)
喉にしか、ウイルスはいません。では、なぜ、頭が痛くなったりするか?それは、体が、インフルエンザウイルスを排除しようとして、様々な体の反応を起こすためです。(サイトカインの亢進)
更に、他の病気を例に挙げて説明しましょう。
「急性ウイルス性肝炎」(B型肝炎C型肝炎で有名です)は肝臓の臓器障害を起こします。ただ、ウイルス単体で、この臓器障害を起こすわけではありません。(むしろ、ウイルス単体だと悪影響はありません。)
ただ、人間の体が、このウイルスを排除しようとして、臓器障害を起こしてしまうのです。(自己免疫機序)
感染症の歴史
世界的流行
古くから、「感染症」により亡くなってしまう方は多くいました。(天然痘や結核の感染は、古代エジプトにも見られたようです。)
- 中世ヨーロッパでのペスト
- コレラの世界的流行(1830年代)
- 1919年頃のスペイン風邪
以上の感染症がが有名な感染症です。
1919年に流行した「スペイン風邪」は第1次世界大戦の直後ぐらいに流行しています。第一次世界大戦で亡くなった人の数より、スペイン風邪で亡くなった人の数の方が多かったとされているほどです。それほど、感染症は、人類を死に追いやってきたのです。
人類の抵抗
感染症は、このように、流行し、多くの人の命を奪いました。しかし、人間も、ただ感染症に屈していたわけでもありません。1929年、ペニシリン(人類初の抗生物質)が発見されるなど、感染症に対する薬が開発されたり、予防法を発達させたりしてきました。
最終的には1967年「感染症の時代は終わった」"to close the book on infectious disease"と言われるくらいにまで、感染症への予防、対策は進んできました。
感染症はなくなったのか?
人類は感染症対策を進めてきました。では感染症はなくなったのかと言えば、そんなことはありません。1981年に世界で初めてAIDSが確認されてから、AIDSは今なおある病気です。少し昔を振り返れば、
- 2004年:鳥インフルエンザ
- 2009年:新型インフルエンザ(H1N1)
- 2014年:エボラ出血熱
- 2016年:デング熱
など、日本でも、感染症のニュースもたくさんありました。
エボラ出血熱やSARSなどの新興感染症(新しく出てきた感染症)のみならず、結核やマラリアなど、一度は数の減った再興感染症もまた、増えてきたりもしています。
薬剤に抵抗性を示す(薬を飲んでも効かない)薬剤耐性菌なんてのも見られるようになってきました。
到底、「感染症の時代は終わった」と言える状況でもありません。これからも、人類と感染症との戦いは続いていくでしょう。
今ある対策
日本では
そんな、「感染症との闘い」。
なにも、薬の開発だけが、感染症への対策ではありません。例えば、インフルエンザ流行時の学級閉鎖なども、感染症対策の一環です。
法律では「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律」なんてのも作られたりしています。
特定の病気に罹った患者さんを診た医師は各地の保健所にその患者さんについての報告義務があったりします。感染症に対するモニタリングを続けておくことで、なるべく感染症が拡がらないようにしているのです。
海外では
ただ、同じような制度が世界中にあるわけではありません。日本は新興国に比べ、感染症への対策がしっかりとなされています。衛生的にも良好な環境です。
そのため、「日本では感染症と無縁だったのに、海外へ行って、感染症になってしまう・・・」なんてことも容易にあります。
海外へ渡航する際は、なるべく、感染症対策も自分でできる限りはしておきましょう。