1本鎖・マイナス鎖RNAウイルス・インフルエンザ・おたふく・エボラ
ウイルス学の各論では、ウイルスの名前をじゃんじゃん覚えていきます。
medudent-basicmedicalscience.hatenablog.com
ここで
- DNAウイルスかRNAウイルスか
- 1本鎖DNA(RNA)ウイルスか2本鎖DNA(RNA)ウイルスか
- (1本鎖RNAウイルスなら)プラス鎖かマイナス鎖か
による分類を書きました。(今後も使うのでぜひ復習なさってください。)今回はマイナス鎖RNAウイルスを学習します。
1本鎖・マイナス鎖RNAウイルス
1本鎖マイナス鎖RNAウイルスには以下のものがあります。
- オルソミクソウイルス科
- パラミクソウイルス科
- ニューモウイルス科
- ラブドウイルス科
- アレナウイルス科
- フィロウイルス科
- ブニヤウイルス科
ではそれぞれについて見ていきましょう!
オルソミクソウイルス科・インフルエンザ
オルソミクソウイルスは核内で複製されます。(RNAウイルスとしては例外的です。)
オルソミクソウイルスと言えばインフルエンザです。
毎年受験生を困らせたり・・・・。
インフルエンザにはA型・B型などがあることは皆様ご存じなことかもしれません。
毎年少しずつ、RNAの情報を変えたり、他のウイルスとリアソートメントを起こして、色々な種類のインフルエンザウイルスが生まれています。
そのためパンデミックがおきたりするのです。
パラミクソウイルス科・おたふくかぜ
パラミクソウイルスはムンプスウイルス感染症、流行性耳下腺炎(いわゆるおたふくかぜ)を引き起こします。
麻疹です。
麻疹・風疹と対になってよく言われますが、
- 麻疹はマイナス鎖RNAウイルス、
- 風疹はプラス鎖RNAウイルス(トガウイルス)
と種類が異なります。
ニューモウイルス科
ニューモウイルスとしてはRSウイルスが有名です。
鼻風邪様症状のチンパンジーからも分離されています。
乳幼児の呼吸器に感染します。
ラブドウイルス科
ラブドウイルスとしては狂犬病ウイルスが有名です。
狂犬病は一度かかるとほぼ死んでしまいます。
日本には狂犬病ウイルスがいません。
そのため、日本には狂犬病の治療手段がないです。
海外でイヌなどにかまれたら、すぐ現地の病院に行きましょう。
日本で治療しようと帰国しても無理です。
世界では毎年55000人死亡しています。
アレナ・ブニヤ・フィロウイルス
アレナ・ブニヤ・フィロウイルスは、「出血熱ウイルス」です。
出血熱ウイルスは、感染症としては、致死率が高いものとなります。
多くが人獣感染症です。
アレナウイルス科
アレナウイルスとしては、「ラッサ熱」が有名です。
ラッサ熱の患者の1/3に出血傾向がられます。
フィロウイルス科
フィロはfilumと書けます。ラテン語で糸という意味です。ラテン語で糸というように棒状のウイルスです。
有名な病気としてエボラウイルス病があります。アフリカで一時期大流行しました。
ブニヤウイルス科
ブニヤウイルス科としては、クリミア・コンゴ出血熱が有名です。
死亡率は30%程度です。
1944年1945年にクリミア半島で流行したことからこの名前が付きました。
以上、マイナス鎖RNAウイルスでした。