細菌学各論~小さい細菌(マイコプラズマ・リケッチア・クラミジア)
今回は、マイコプラズマ・リケッチア・クラミジアについて学習します
小さい細菌
マイコプラズマ・リケッチア・クラミジアの特徴は「細菌の中でも特に小さい」ということです。
普通の細菌は大きさが0.5-10μmですが
- マイコプラズマ:0.1-0.5μm
- リケッチア:0.2-2.0μm
- クラミジア:0.2-0.3μm
このようにとても小さいのです。
小さいというのがこれらの細菌の特徴になります。
マイコプラズマ
小さい細菌の中でも、最も小さく、「最小の自由生活・自己複製性微生物」と言われています。
ヒトから分離されるマイコプラズマ種はたくさんあります。
「マイコプラズマ肺炎(強い乾性咳が有名)」などがあります。
マイコプラズマ肺炎では、細菌が、過酸化水素を産生し、直接的な組織障害がおこります。
リケッチア
リケッチアも小さな細菌です。
節足動物がベクター(媒介動物)となります。
リケッチアの特徴は、「偏性細胞内寄生体」です。
「偏性細胞内寄生体」は
- 細胞外で増殖できず、単独で培養できない
- 宿主の細胞内で増殖する
という「ウイルスみたいな」細菌です。
偏性細胞内寄生体としては、
- 全てのウイルス
- 一部の真正細菌(リケッチア・クラミジア)
- 一部の原虫(トキソプラズマ・リューシェマニア)
これらが「偏性細胞内寄生体」です。
リケッチアが引き起こす病気としては
- 発疹チフス(シラミがヒトからヒトに広める)
- 日本紅斑熱(マダニが感染を広めている)
- つつがむし病(ツツガムシによって広まる。昔はアカツツガムシだったが、最近はタデツツガムシ・フトゲツツガムシがひろめている。)
つつがむし病は
- 頭痛
- 全身の発疹
- リンパ節の腫脹
- 刺し口
の四大症状が有名です。
クラミジア
クラミジアもリケッチア同様に
偏性細胞内寄生をします。
リケッチアとクラミジアは偏性細胞内寄生で同じですが、クラミジアでは「ヒト―ヒト感染に節足動物を必要としない」という点で違います。(リケッチアはシラミ・マダニ・ツツガムシなどを必要とする)
クラミジアとしては以下の者が有名です。
- トラコーマクラミジア
- オウム病クラミジア
- 肺炎クラミジア
があります。
トラコーマクラミジア
トラコーマクラミジアは、性器クラミジア感染症や眼科系感染症を引き起こします。
性感染症クラミジアは、男性では自覚症状があるため早期発見早期治療ができるのですが、女性はなかなか自覚症状が出ないため、
ピンポン感染が起きてしまうことがあります。
オウム病クラミジア
オウム病を引き起こします。
鳥類の排泄が原因となりヒトに感染します。
オウムの排泄のみならず、インコやハトなどの排せつ物からも感染するため、
意外と身近にあります。
過程で勝っている鳥が原因になるため、家族内での集団発生が見られます。
肺炎クラミジア
クラミジア肺炎は、ヒトを本来の宿主とする
クラミジアです。
成人の多くに、この病気に対する抗体があります。
小児や高齢者での発症が多いです。